2007年09月16日

『 舞劇 楊貴妃 』 in オーチャードホール

舞劇 楊貴妃 』 の 初日 を 観てきました。

youkihi_.jpg 

なんでも、日中国交正常化35周年 を 記念して、
日本 と 中国 で 共同制作 に 挑んだ 作品 だとか。

日中、二つの国 の 才能 と 感性 が 出会い、
はじめての “舞劇” が誕生 したのだそうです。

以前、わたくし が 勤めていた クラシックホール の 関係者 が、
オーチャードホール に 移って 10年 と 少し。
今回 の 企画 は、彼 が ずいぶんと 骨折ったものだと 聞き、
昔 の 仲間 と 一緒 に 出かけたのです。


“傾国 の 美女”楊貴妃 を 題材 に、壮大なドラマ を ダンス で つづる 新作舞劇 の 世界初演。

政略 や 陰謀 うずまく 激動 の 唐 の 時代 を 背景 に、
楊貴妃 と 日中両国 の 血 を ひく 架空 の 人物 謝阿美 ( しゃ あみ )、
美しい ふたり の 女性 の、国 や 身分 を こえた 友愛 と 悲劇 を 描く
――― というものです。

全く の オリジナルストーリー であり、
企画 が スタート してから、構想、脚本、作曲、振り付け・・・と、
準備段階 からの 大変さ は 十分 伝わってまいりました。

そして、中国 の 踊り手たち の 技術 の 高さ、しなやかさ、統一性も、十分 に 伝わってまいります。

でも、なんか? 

なぜか?  感動 の 渦 に まきこまれないのは、なぜでしょう?

実 は ものすごく、欲求不満 が 残ります。

なぜか?

――― 衣装 です。

普通、バレエ を 観る 時、我々 は 「 美しい 」、「 きれいー 」 という 感情 を 抱きます。

それは、衣装 の 美しさ、舞台背景 の 美しさ、そして もちろん、
踊り の 美しさ を 目 に 焼き付けて、そう 感じる 訳ですが、
中でも、踊り の 美しさ とは、「 衣装 に 邪魔されない 肉体美 」 の ことだと 思います。

躍動感、しなやかさ、からだ の 切れ の 鋭さ、ジャンプ の 高さ など
手 の 先 指 の 先 から、足 の 先 つま先 まで、人間 の からだ が、視覚 に 訴える 美しさ は、
スポーツ と 同じく、「 からだそのもの 」 なのではないでしょうか?

ところが、「 楊貴妃 」 では、全篇 の 九割 ほどが、からだ を 覆った 衣装 です。
羽衣 の ような、高松塚古墳壁画 の ような、聖徳太子 の ような、
そで が 長〜くて、足まで 隠れる 衣装 です。

もちろん、そで は 薄い シフォン であり、透け透け だから 全く 腕 が 見えないわけでは ありません。
でも、その そで は、着物 よりも 長く、手首 より 先 までも 覆っており、
とにかく、布 が ヒ〜ラヒラ、ヒ〜ラヒラ、舞台 いっぱい に 踊るのです!

そう、踊り手 と 共に、舞台 で 踊っているのは、たくさん の 布 の 集団 です!!

男性 が 兵士、敵 として 踊る 時 は、そで などは なし。
衣装 は あるものの、腕 も 足 も 立派 な 肉体美 を 誇って 踊ります。
そうすると、なんだか ホッとするような 気持ち、
ようやく 見たー という 気持ち に なります。 (笑)

あの 衣装 が、もう少し 違った スタイル で、
肉体 の 動き が もう少し 視覚 に 入ってくれば、
もっと 感動していたことでしょうに・・・。
ちょっと 残念。


そして、フィナーレ。

カーテンコール で、楊貴妃役 チェン・ファンユアンさん、謝阿美役 ソン・ジエさん 以下、
上海青年舞踊団 すべての 踊り手 が 得意な ポーズ で 拍手 に 応えます。

振付師 ジャオ・ミン氏、芸術監督・演出 松本重孝氏、作曲 服部隆之氏 が 次々と 舞台 に 上がり、
そして 最後 に 劇中歌 を 担当 した 森山良子さん も、登場。

舞台 に 総勢 100名ほど の 関係者 が 勢揃いし、
金銀 の 大きな クラッカー が はじけ、とても 華やか!

ホール いっぱい の 拍手 に 包まれ、
この日 一番 盛り上がったのが、カーテンコール だったような・・・。


この 『 楊貴妃 』、バレエ のようでもあり、歌 の ない オペラ のようでもあり、
だから 「 舞劇 」 と 銘打ったもの だったわけですが、

衣装 で 感じた 以外 にも、

ともすれば、パントマイム か ジェスチャー の ように、
あらすじ の 細部 に 至るまで、表現しようとして、
それ が 不必要 ではないかと 感じること も ありました。

お能 を 観るようになって、

「 極限 まで 削り落とした 動き の なかに、
キラリ と 光る クライマックス が 盛り込まれている 表現方法 」

に 慣れつつある わたくし に とっては、

必要 の ないもの を 削り取る ⇒ シンプル な 動き ⇒ 深い 部分 にまで 想像 を めぐらす ⇒ 深遠 な 宇宙観 ⇒ 感動

という プロセス を 大切 に する 侘び寂び の 日本文化
壮大 な 大陸 の 文化 は やはり 違うのかなあー とも思われ、
異なる 文化圏 との 共同制作 とは、いろいろ 難しい点 が ある に 違いない、と 感じた 次第 です。

安倍首相辞任 の 二日後 とあって、要人 の 列席 は ないだろう と 思っていましたら、
民主党 の 鳩山由紀夫氏 と みゆき夫人 の お姿 が。

「 やっぱり 自民党関係者 は、ちょっと 今 来れないよねぇ。
民主党 は 余裕 だわね。 」 (笑)

・・・そんな 鑑賞デー で ございました。

CIMG1283.JPG
オーチャードホールエントランス



posted by ふじりんご at 21:36| Comment(8) | TrackBack(0) | 感性を磨く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も、子育てが終わったら、ふじりんごさんのように高レベルな趣味を持てるかしら?
Posted by くるみりす at 2007年09月16日 22:59
〜くるみりすさんへ〜

くるみりすさん、こんにちは!
4日連続でイベント外出したら、今日はさすがに疲れて、ものすごい朝寝坊でしたあー!

高レベルな趣味??
それってわたしのこと??

どこがあ??
人それぞれの趣味に高レベルというのがあるかどうかわかりませんが、少なくとも、子育てが終わったら、趣味や生き甲斐を見つけないとやっていけないのです。
ソレが現実。
子離れ、親離れしてからの人生ってものすごく長いみたいです。
だから長く細く続けられる趣味を、少しずつ積み上げていくしかないわけで。

くるみりすさんは、音楽もお得意。
お嬢さま方とアンサンブルする楽しみもあるし、旦那様とキャンプandドライブの夢もおありだし。
大丈夫。
子育て終わる日を楽しみにしていてくださいネ!!
Posted by ふじりんご at 2007年09月17日 11:37
ふじりんごさん、
バレエのようであり、歌の無いオペラのようでありヒラ〜リヒラヒラする楊貴妃の衣装など「舞劇」という表現は当たり〜〜!!ですねぇ。
Posted by michiko at 2007年09月18日 12:06
〜michikoさんへ〜

michikoさん、こんにちは!
京劇というのがありますよね。
あそこまで、切れの鋭さはないみたいです。
バレエのようなうっとりするほどの美しさかというと、そこまでではないし。
オペラのような歌による感情表現によって、琴線に触れるぐっとくる高まりがあるかというと、それはないし。
・・・「舞劇」とは良くぞ銘打ったものですね。
でも、日中合作のスケールの大きな企画のため、ご苦労はいかばかりだったことかと、スタッフの皆様にねぎらいの言葉をかけてあげたいですわ。
知り合いもオーチャードのプロデューサーですので・・・。

Posted by ふじりんご at 2007年09月18日 13:57
さすが、ふじりんごさんの観察力には鋭いものがありますね。
いいものをたくさん見て、目と感性がしっかりと養われているのですね。
年とともに、やはり「本物」に触れて、上質な日々を送りたいと思うようになりますね。
Posted by ゆみたん at 2007年09月18日 18:21
〜ゆみたんさんへ〜

ゆみたんさん、こんばんは!
数分前にお越しくださったみたいで・・・。
お褒めの言葉をいただきましてありがとうございます。
ところが、実際は、先入観がじゃますることが多々ございます。
感性もあやふやなもので、やはり自分の中身が出来ていないと、いいものを観てもいいとわからなかったり。
丁度極上のフレンチだと言われても、他を知らなければ極上かどうかわからないみたいに・・・。
それでも、残りの人生、ゆみたんさんがおっしゃるように、なるべくは「ホンモノ」に囲まれて、上質な日々を送り、魂の栄養分をたくさん吸収していきたいものですネ。

Posted by ふじりんご at 2007年09月18日 18:36
こんばんは、
そうですね!確かに手と足が見えないと
地上的でないというか、確信が持てないなと思いましたわ。舞や踊り、演奏でも
特に手は表現するのに大切な要!
ふじりんごさんのおかげで、当たり前だと持っていたことを再確認いたしました。
Posted by つきのこ at 2007年09月19日 19:15
〜つきのこさんへ〜

つきのこさん、コメントありがとうございます!
からだで表現する芸術って、手の表情がいかに大切かですね。
お仕舞いにように、テンポの遅い表現でもそうなのですから、ましてテンポの早いバレエなどはなおさらですね。

演奏でも?!
そうか、演奏でもそうですよねぇ。
わたくしも早く「美しい表現者の手」になりたいものですわ。(笑)
それにしても、美しい表現って何でしょうか?
魂の叫び?
天上の音楽により近づくこと?
一生、そんな道を進んでいきたいものですね。お互い!!

Posted by ふじりんご at 2007年09月19日 21:09
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